JIDAセミナー「戦後の歩みと日本の車体色トレンド」

戦後の日本における自動車のボディカラーは、経済状況や社会の変化を反映する重要な要素です。
戦後から現在にかけての車体色のトレンドは、「時代を映す鏡」としての役割を果たしてきました。特に若手や中堅のカラーデザイナーにとって、こうした変遷を理解することは、今後のデザインにおいて重要な視点となるでしょう。セミナーでは、DICカラーデザインの川村雅徳氏の取りまとめのもと、吉田豊太郎氏による貴重な語りを通じて、車体色トレンドの歴史的背景を深く掘り下げます。ボディカラートレンドの変遷を時代背景とともに検証し、カラーデザインの価値を再発見する絶好の機会です。CMF実務に携わるデザイナーやCMFを学ぶ学生の皆さまにとって、有意義な内容となっています。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
戦後の歩みと日本の車体色トレンド
高度経済成長期(1960年代~1970年代)
この時期は日本が急速に経済成長を遂げた時代であり、カラフルな色合いが人気を博しました。自動車メーカーもこのトレンドに乗り、鮮やかな色を数多く提供しました。そうした時代の中、オイルショックという出来事によってカラートレンドが変化しています。
経済黄金期(1980年代)
1980年代に入ると経済の好景気を背景に、洗練された白や黒が人気を集めました。特に新しさ、洗練感を演出するスーパーホワイトが一世を風靡します。有彩色ではビビッドな赤が若者の心を捉えました。バブル期には従来の高級感を超える高みが求められるステージを迎えました。
失われた30年(1990年代~現在)
バブル崩壊後は経済低迷が続き、90年代半ば以降はモノクローム系が主流となりました。ヴィッツ(ヤリス)が先鞭をつけたピンク、迫力を主張したパープル、非モノクローム派のブラウン~ベージュ系、軽自動車がトレンドリーダーとなったツートンカラーも台頭してきましたが、モノクローム主流は変わりません。
【開催概要】
■登壇者
川村 雅徳(かわむらまさのり)
DICカラーデザイン(株)カラーマーケティングプロデューサー
青山学院大学文学部教育学科卒。1990年より一般社団法人日本流行色協会に勤務。機関誌『流行色』の編集を担当。2006年よりDICカラーデザイン株式会社に勤務。2010年、カラーイメージ調査手法を開発。日本色彩学会会員。「カラー・ビジネス・ネットワーク」企画運営委員会メンバー。2020年、公益社団法人色彩検定協会(AFT)色彩検定®公式テキスト改訂委員会委員。1級新カリキュラム「色彩とビジネス」の立案・執筆を担当。女子美術大学非常勤講師。
■ゲスト講師(オンライン参加)
吉田 豊太郎(よしだ とよたろう)
元トヨタ自動車(株)カラーデザイナー
多摩美術大学立体科(プロダクトデザイン専攻)卒。1972年、トヨタ自動車株式会社入社デザイン部に配属。外形デザイン、インテリアデザイン、デザイン企画などの業務を経て、1982年よりカラーデザインに従事。2001年より日本ペイント株式会社デザインセンター副所長。2010年退職。東京商工会議所カラーコーディネーター検定テキスト作成委員、日本色彩学会『色彩用語事典』東京大学出版会(2003)企画執筆委員、一般社団法人日本流行色協会プロダクトインテリア部会専門委員等を歴任。
■開催日:2025年4月25日(金)
■時 間:14:30 開場
15:00~16:45 セミナー(質疑応答を含む)
※16:45~17:00 名刺交換会
■対 象:マーケティング、商品開発、事業企画などの商品や開発に携わるデザイナー・クリエイター・研究者、およびデザイン・マーケティング・色彩を学ぶ学生
■会 場:DIC東京・日本橋本社 2F 大会議室3
東京都中央区日本橋3-7-20 ディーアイシービル 2F
■定 員:会場参加 先着42名 / オンライン参加 450名
■参加費:無料
■申込み:https://peatix.com/event/4331519/view
■注意事項:セミナー中の写真撮影、スクリーンショット、録画録音などはご遠慮ください。
事務局にてセミナーを録画しますので、予めご了承ください。
■主 催:日本インダストリアルデザイン協会 インハウス部会
■共 催:DICカラーデザイン株式会社