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JIDA東日本ブロックニュース~2025年4月号〜

東日本ブロック  浅香 秋也


 

 

あっという間に春というか初夏の陽気も続いている昨今ですが、3月半ば頃はみぞれ雪も見られた気もしましたが、、くれぐれも身体にお気をつけて新年度健やかにおすごしください!
今月もよろしくお願いいたします。


【25年4月号目次】
1:展示会などの告知

2:コラム

3:編集後記

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1:展示会などの告知

「TECTA MIT MARUNOUCHI -バウハウスとテクタの名作家具展-」
2025年2月22日(土)~4月20日(日)
https://www.actus-interior.com/news/tecta2025/

「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」
2025年4月5日(土)~6月15日(日)
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202504_tapio.html

「魔法少女の軌跡」
2025年4月5日(土)~6月29日(日)
https://www.doll-museum.jp/15385


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2:コラム(担当:松本 有)

チェンナイでの驚きと発見―インドの大学で
「ジュガード(Jugaad)」

2022年11月14日から20日まで、インド・チェンナイ市のIIITDM大学でデザインの講演に行っ
てきました。目的は、日本へのデザイン系留学生を、増やすためです。

講演の前日に大学を訪問し、学長や先生方へご挨拶と、学生たちについてお話を伺いました。
私の中では、インドのデザインを学ぶ学生達は「情熱的で活発に学ぶ」という思い込みがあ
りました。しかし、先生方からは「手を挙げる学生はいません」という衝撃的な言葉を聞き、
私は深いショックを受けました。どうしようと思いながら、ホテルに戻ってから、深夜までか
けて講演の内容を、学生参加型に作り変えました。

当日、講演の初めから日本の同世代の学生達が使う略語(例えばタイパ)を引き合いに出
し、学生たちに質問を投げかけながら参加を促しました。この作戦は見事に成功し、講演後
には多くの学生が次々と手を挙げて質問をしてくれました。そのため、予定していた15分の
質問時間は1時間以上延びてしまい、先生方も学生の変わりように驚いていました。
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インドチェンナイ IIITDMでのデザイン講演


翌日、大学内のデザイン研究室を見学させてもらった際には、私にとっても新たな発見が
ありました。日本でもおなじみの3Dプリンターが活用されている一方で、日本では見られな
い方法で、デザインの開発が行われていました。それは、身の回りにあるベニヤ板や電動
工具のモーターを使い、それらに電子回路を接続して動きを確認するテストメカが作られて
いました。私はその斬新な手法に驚き、思わず「どのような考えから来たのですか?」と質問
しました。すると、インド特有の「ジュガード(Jugaad)」という考え方であることがわかりました。
ジュガードとは、「身近なもので創意工夫をし、解決策を見出す」という意味のヒンズー語です。

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ジュガードの例


インドの大学でこのジュガードという概念が先端の技術と結びついていることに大きな驚き
を感じました。かつて日本でも同様の創意工夫が行われていましたが、経済成長と共に現
在ではその文化が薄れていることを残念に思います。しかし、東南アジアではこのジュガード
の考え方が熱く広まっているようです。

あらゆる種類の創造的で常識にとらわれない思考やライフハックを生み出していくことが、
今の日本にも必要なことだと強く感じました。このチェンナイでの経験は、私にとって大きな
学びとなり、デザイン分野における新たな視点と刺激を与えてくれました。ジュガードとの出
会いが、これからデザイン活動にも新たなインスピレーションをもたらしてくれました。

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大学院のインキュベーション

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3:編集後記

店舗でのロボットの活用が進む中、さまざまなタイプのものが登場していますね。ついつい
気になり見かけると写真を撮ってしまいます。最近、某ファミリーマートで見かけたロボット
は、画面を使ってコマーシャルを流しながら、おすすめ商品を運んだりと小さな売り子のよう
でした。造形は比較的シンプルでモノトーン、あまり飾り気はありませんでした。

このようなロボットには、掃除機能を備えたものやコミュニケーションを重視したものなど、
さまざまな種類があり面白いですが、これらのロボット技術やその使われ方が、文化として
どのような体験や経験につながっていくのか、ユートピア的な未来をもたらすのか、それと
もディストピア的なものなのか、少々大げさかもしれませんが、そんな事を思いながらもロ
ボットの動きを邪魔しないように道を譲ってしまいます。
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配信日時: 2025/ 04/ 01