JIDA

TYUBU BLOC 中部ブロック

2024年度卒業制作展訪問

 

公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会
中部ブロック・次世代事業担当
委員長 岡田 心、後藤規文

◆2024年度【卒業制作展訪問】JIDA中部ブロックデザイン賞のご紹介◆

中部ブロック・次世代事業委員会では、本年度もデザイン系大学卒業制作訪問(卒展訪問)を開催し、訪問先毎に優秀な作品を選定し表彰しました。今後の開催予定はこちらを御覧ください。

本年度のJIDA中部ブロックデザイン賞は以下の方々です。

2024年度JIDA中部ブロックデザイン賞


 

■名古屋市立大学

 2024年2月24日(月・祝)会場:名古屋市立大学北千種キャンパス構内

総評

今年も中部地区の各大学の卒業制作展を訪問させて頂き、その中で名古屋市立大学の卒業制作展を総体的な評価としての考えは、【まだ原石をこれから磨いていく途中】といった厳しくも期待を込めたコメントが適切だと思います。今回選定されなかった学生さんも含めて企画の切り口は、とても良く調査され、中にはまとめきれず悔しさ残る結果の作品もありながら粘り強く企画内容を掘り下げた事を賞賛したいと思います。作品としての完成度はこれからの課題にもなると思いますが企業先でしっかり培って成長していく姿を期待しております。(文責:吉田明彦)

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最優秀賞:島田彩矢 スペキュラティブデザイン手法を用いた過度な多様性追求がもたらす社会的分断の作品制作

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評価コメント:

評価コメント: スペキュラティブデザインとして、社会課題を追求した時に起こりうるかもしれない事象を作品にしている点において、初めて拝見する人にも伝わりやすく問題提起し、孤独や偏った思想がもたらす未来像をしっかりまとめ切ったところがとても良かったです。孤独葬のあたりはとても心に響く問題だと感じさせられました。(文責:吉田明彦)

 

優秀賞:高田真佑 最後まで使い切りたくなる文房具のデザイン

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評価コメント:

評価コメント: 作品としての完成度も良く【メメント・モリ】の考えを製品としての寿命に結びつけて考えた点は大変面白い切り口でした。
個人の意見にはなりますが、生死をテーマにしている作品は大抵大袈裟なモノが多い印象だったのですが、当作品はとても心地よい雰囲気の作品で製品の終わりのさりげない感じが共感できました。これからの社会生活も期待しております。(文責:吉田明彦)

 

優秀賞:松永萌那 アイメイクトレンドの歴史分析から導き出す次世代自動車ヘッドライトデザイン

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評価コメント:

アイメイクのトレンドとヘッドライトデザイン初見で聞いてみて、どう結びつくの?と感じる点もありましたが年表で比較されていると何かわかる様な気がする!いや確かにそうなのかもしれないとどことなく惹かれるロジックでした。企画内容としてよく調査されている点はとても良かったです。作品やデザインの点ではこれからまだまだ伸びしろがあると思いますので、社会生活にて期待しております。いつまでも続けて下さい応援しております。(文責:吉田明彦)
 


 

■大同大学

 2024年2月24日(月・祝)会場:ナディアパーク2Fアトリウム

総評

JIDAによる卒展訪問事業に下名が参加し始めて丁度10年になる。この10年で学生が取り組むテーマもクオリティーも変わり、プロセスやそれらを支える技術から、観る側の期待値を良い意味で裏切ってくれる作品も増えた。新しい時代感覚や価値観などからも審査側である我々が得る気付きや学びも多い。今年の大同大学もその期待を裏切らない、多くのバリエーションに富んだユニークな作品を見せてくれた。その一方で、提示される作品の幅の広がり、審査する側のキャリアも多様なため、その審査/判断基準もしばしば明確さを欠き、その回に集まることが出来たJIDAメンバーの守備範囲に左右されることもあると感じる。次世代育成が目的であり、建設的なコメントを意識しつつも、学生の立場に立ってみると(限られた時間ではあるが)どういう視点で何がどんな基準で評価されるのかを知りたいのではないかとも感じる。現場での総評では抽象的な励まし論ではなく、できるだけ私自身が意識した視点を伝えることとしたが、それが全てでもない。学生の皆さんには、自分の作品に当てはめてみて、どうだったかを振り返ってもらえると嬉しい。これはJIDAの権威にも関わることだと思う。(文責:金澤秀晃)

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最優秀賞:樋田明里 愛くるしい白黒動物をより身近に感じられるプロダクト「シロクロ」

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評価コメント:
ひと目見た時の商品としての完成度の高さが素晴らしい。モチーフとした動物の抽象化やデフォルメを実現した造形センス、シリーズとして見せるためのトーン&マナー、ブランディングをコントロールするグラフィックセンスや細部へのこだわりなど、作者の全神経がやり残すことを拒み、作品に対する愛情を感じさせてくれた。第一印象で受けた魅力の後、中身の説明に入ってからも、白黒の動物に限定することで得られるブランドの特徴付けや統一感、モチーフのセレクトとその生態を意識した機能や構造も巧みで遊び心もあり、製品としてのリアリティーがあった。講評時に出たサイズ感については、もっともな指摘ではあるが、パッケージのサイズや縦横比を統一することと、使用していない時のマスコットとしての存在感を考えると、作者には譲れない大きさだったのかもしれない。またモデルと同様に、統一されたパッケージにも印刷による表現をキライ、箱の2面に渡り切り絵を施した白いカバーとインナーの黒いケースは、空ける時の立体的な面白さや作者の遊び心を感じることができ秀逸だった。見えない箱の底にまで、モチーフとなった動物の足跡が付いているこだわりが嬉しかった。(文責:金澤秀晃)

 

優秀賞:成木龍聖 学童保育所で使われている机のデザイン

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評価コメント:
この作品の最大の魅力は「リアリティー」だ。派手さは無く…むしろ極めて地味な作品であるが、デザインのプロセスに欠かせない「仮説」と「検証」を地道に繰り返し、そのフィードバックを丁寧にモノに落とし込んだプロセスに多くの審査員達が共感した。作者自身も学童保育所で子どもの相手をすることで、その実体や現状の問題点を把握しながら、サイズ、素材、形状、使い方…忘れ物が多い実態に対し子どもの行動原理に及ぶ考察を経て、的確に解決策をカタチにしている。彼自身がデザイナーではあるが、デザイナーや専門家などの限られた人によってだけではなく、実際の利用者や利害関係者達と積極的に関わり合いながらデザインを進めていくコデザインを実践している好例とも言える。荷物を置くスペースとして机を裏返して使うアイデアもユニークで、そこに使用する数字や色やその配列にも意図を持ち、実際に忘れ物が減ったことも検証できているという点も素晴らしかった。筆者は、脚部の形状(角柱と円柱)と色の使い分けについて分かり辛い点も感じたが、作者は今後も学童保育の現場に職を得ているとのことなので、更に改善が図られるに違いない。(文責:金澤秀晃)
 

 

優秀賞:岡田陽太 変型機構を備えた携帯可能な電子ドラムの研究及びデザイン

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評価コメント:

電子ドラムの進化は激しいが、先ず現状と異なるビジュアルのインパクトが大きかったこと、体積のある立体が平面に折り畳まれる実演が印象的だった。作者自身もドラマーとのことなので共感してもらえると思うが、ドラムのセッティングは、個人の体形はもちろん、曲相やプレイスタイルでしっくりくる/こないが変わる。各打面の高さや傾斜、左右位置、前後関係、スローンの高さが心地良い配置になるまで、身体がハマる位置に調整できるかが大きなニーズのひとつだ。今回は可搬性構造を優先することで、このアジャスト性がかなり犠牲になっている。モデルではペダルワークが説明されていないこと、電子ドラムでありながら音源や操作方法、配線のデザインが省略されていること、肝心の可搬時のサイズや重量が検証されていないことなど、ツッコミ所も多かったが、従来の可搬性ドラム(RolandのTD-4KP-S、YamahaのHipgig、Pearlのリズムポッドなど)ではバスドラムが小振りで客席側から足元がスカスカに見える格好悪さが、この作品ではカバーされており、新たな電子ドラムの佇まいとしての可能性は感じた。六角柱による平面部も多いので装飾エリアとしてのカスタマイズにもアイデアは広がりそうだ。(文責:金澤秀晃)


 

■専門学校名古屋デザインアカデミー

 2024年2月18日(火)会場:名古屋デザインアカデミー構内

総評

今回はプロダクトデザインコースの作品を主体に総評を述べさせてもらいました。2つの作品は社会が抱えるの課題や固定概念に立ち向かった提案で、デザインで取り組むテーマとして評価した。全体に係る課題として皆さんへ“独自性のある造形”の飽くなき追及を、期待を込めてお伝えした。(文責:伊奈史朗)

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優秀賞:鈴木斗真

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評価コメント:
公共交通の日常行動である通勤時間を如何に楽しく過ごせるか、ポップな吊り手デザインに加えて一緒に演奏を楽しめる“仕掛け”はユニークな提案だ。日常の用途だけでなくレジャーやイベントなど幅広く応用できる、氏の企画潜在能力を評価した。地方鉄道再生の一助になる“グランドデザイン”へさらなる展開を期待する。(文責:伊奈史朗)

 

努力賞:菊池優貴

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評価コメント:
食品ロスと地球温暖化をモビリティでつなぐ、エネルギー再生の“自己完結車”に着目した点とスケッチに見られる努力を評価した。残食ゴミをエネルギーへ再生し僅かに残る物の処理に至るまでの機構の容積や居住空間などの検討、本コンセプトを造形面で独自性を創り出すか、さらなる展開を期待する。(文責:伊奈史朗) 


 

■名古屋芸術大学

 2024年2月15日(土)会場:名古屋芸術大学・西キャンパス構内

総評

JIDA中部ブロック「卒業制作展訪問に参加」の皆さんお疲れ様でした。とてもレベルの高い内容でプロの私達が観ても感心させられる作品が多く見応えがありました。特に今回受賞された皆様の作品は甲乙つけ難く選考にとても苦労いたしました。先生方のご指導も素晴らしかった事と推測いたしますが、素直に自分の気持ちを表現出来る能力はこれから社会人としての大きな可能性を秘め無限大の力での活躍が期待されます。(文責:木村徹)

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最優秀賞:鈴木柚那 「ツチノネ」

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評価コメント:
焼き物のデリケートなサーフェスを持ち優しい形状と素敵な音色で気持ちを癒す作品は視覚と聴覚の両方に訴え、心をホッとさせてくれる素晴らしい作品でした。焼き物でこの綺麗な形状と音色を表現するにはとても高度な技術と粘り強さが求められます。磁器、陶器と考えられる可能性に挑戦し作り込んで行く探究心はこれからの魅力的な作品作りに欠かすことの出来ない姿勢です。この探究心を忘れる事なく新しい価値創造に努めてください。楽しみにています。(文責:木村徹)

 

優秀賞:久保田 耀紘 「KALLOS」

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評価コメント:
今の時代では、スポーツカーの楽しさや魅力的な形状には中々触れるチャンスが少なくなっています。環境問題などの目の前の課題を解決する事に社会が振り回され、乗り物が本来持っているワクワクする感情を忘れかけていますが、そんなスポーツカー本来持っている気持ち良さを思い起こさせてくれる素晴らしい形状を表現してくれています。プロが見ても納得できる造形力を持ち、将来が楽しみの作品です。また、それを表現するための必然性を探求する取り組みで、過去に遡り自動車の歴史とそのコンセプトが生まれた時代背景を研究し明日のあるべき姿を追求する取り組みは「モノとコト」を見事に両立させ形状のあるべき姿を導き出している点も評価されます。(文責:木村徹)

 

優秀賞:柴田優杏 「Shape of Comfort」

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評価コメント:
家庭内で様々なくつろぎの姿勢をサポートする為のユニークな家具は、その形状のもたらす雰囲気で堅苦しさを排除しリラックスできる空間を演出している点は評価されます。また、使用する人が自由に形状を変化させながら家具の形状に人間を縛るのではなく、人がありたい姿勢にフィットする。今まで家庭内にはなかった家具として、形状のフレキシビリティーの発想は素晴らしい。(文責:木村徹)

 

優秀賞:田村 涼 「Futurista」

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評価コメント:
夢に出て来るような形状は、見ているものをワクワクさせる作品に仕上げられており、スケッチ、色、形状どれを取っても、プロ顔負けの力を持っています。素晴らしい作品で、今後の活躍が楽しみです。乗り物をデザインする時は、様々な条件をクリアーする必要が出てきます。そんな時も条件を超える造形力で粘り強く己の理想の形状を表現する為の造形力が発揮出来る力も養う事を忘れないでください。(文責:木村徹)

 

努力賞:有馬かこ 「SCALE」

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評価コメント:
自動車の世界で造形はとても重要です。しかし、色の力も同じくらいに重要です。ひょっとすると、あまり冴えない形状でも色で大きく魅力が出る時もあります。それを、形状と色の両方の力で魅力的なモビリティーを演出しようという取組はとても先進的で観ている者の想像力を刺激してくれます。見る角度や光の当たり方で飽きる事のない形状が常に提供させる手法は、今までになかった斬新な取組だと評価されます。(文責:木村徹)

 

 

■静岡文化芸術大学

 2024年2月14日(金)会場:静岡文化芸術大学構内

総評

毎年のことながら静岡文化芸術大の学生たちの発表の受け答えは、十分な調査・分析を行なっているせいか、私たちJIDAの質問に対して冷静に迷うことなく、キャッチボールのように気持ち良く答えが返ってきた。これはおそらく、日頃の授業の中で培ってきたテーマの捉え方の「ツボ」をしっかり抑えているためで、JIDAもさらなる質問を投げかけたくなる。また、プレゼンテーションの時に相手のマイクをサッと持って上げる学生間の連携は、微笑ましい光景であった。(文責:木村光)

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最優秀賞:吉田妃那 「グっ、バっ、ファサっ。」保育現場における減災デザイン

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評価コメント:
この奇抜な題名からはどのような制作物か想像できなかったが、プレゼンテーションによって理解できた。保育園における災害発生時における避難システムのデザインに取り組んだ。スペースに制約のある保育園室内において、いかに早く、確実に身を守るスペースを確保するか。その解決法を「グっ」紐を引く、「バっ」降下してくる、「ファサっ」下まで下ろすという一連の動作でまとめ上げた。JIDAからは日頃の避難訓練においても園児たちが苦痛になるのはなく楽しめる環境となり、十分な練習が行われる様になれば好ましいことでは、とのコメントがあった。(文責 : 木村 光)

 

優秀賞:北原大裕 「新たな二輪プランドの立ち上げ及び製品の提案」1/1スケールのクレイモデルの制作

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評価コメント:
3名の学生が一つのテーマに取り組んだが、その中で作業領域を分担し、企画・スケッチ、インダストリアルクレイによるモデリング、CMF・カラーリングを各々担当した。このメンバーの中で北原さんが携わったモデリングの造形力が高く評価された。二輪・四輪業界ではインダストリアルクレイを用いた造形作業が現在も行われており、その造形力の高さが商品評価に大きく影響する。メンバーと協調しながらの作業は色々悩みもあったとのこと。(文責 : 木村 光)


 

■名古屋造形大学

 2024年2月11日(火)会場:名古屋造形大学構内

総評

移転から3年目を迎えた、明るく天井の高い新校舎で開催された卒業制作展。空間作法領域という名が示す通り、デザイン本来の目的とも言える「他者や環境への気配り(作法)」を感じさせる作品が多く見られた。特に素材に対するアプローチでは、学生たちが自ら触れ、気づきを得ることで工夫を重ね、身の回りのものに新たな価値を生み出そうとする強いこだわりが感じられた。その姿勢は、これからの社会におけるさまざまな課題を解決する力となっていくことを期待させるものであった。(文責:井上雅弘)

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最優秀賞:小西 太陽 「Cross 3」

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評価コメント:
一本のワイヤーを治具に沿わせ、丹念に重ねて骨格とし、そこに和紙を貼り合わせることで作られた提灯。伝統的な灯具の製作工程をベースにしながら、繊細なテクニックを駆使し、ワイヤーと和紙を多様に組み合わせることで、三方向に広がる新しい形状の創出にチャレンジ。作品づくりへのきめ細やかな配慮が、使い手への気配りとしても感じられ、その点が高く評価され最優秀賞に選出された。(文責:井上雅弘) 
 

優秀賞:在原 萌花 「色屑 iro-kuzu」

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評価コメント:
身の回りの自然素材の出しガラを染料として活用し、卵の殻を染めて細かく砕き、絵の具として再生することで新たな価値を生み出そうと試みた。こうしたアプローチ自体は決して新しいものではないが、実際に素材(屑)に触れ、トライ&エラーを繰り返すことで生み出された自然な色彩はどれも美しく、その点が高く評価された。(文責:井上雅弘) 
 

優秀賞:鈴木 春 「せいめいのき」

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評価コメント:
さまざまな布地を組み合わせ、さらに別の素材を重ねたり、脱色などの工夫を加えたりすることで、新たな質感と繊細な表現を併せ持つ衣服を創作。デザインは「素材との対話が基本」という考えをそのまま体現しており、大量生産を主とするIDデザイナーの発想などが及ばない、手作りならではの質感が再現された。特に、素材へのこだわりが最も感じられた作品でもあり、そのこだわり(生命感)が最も評価され特別賞に選出。(文責:井上雅弘) 

 

■名古屋学芸大学

 2024年1月18日(土)会場:愛知県美術館

総評

新型コロナの3回目緊急事態宣言やロシアのウクライナ侵攻など、国内外で危機的なリスクが最大になり、多くの規制と制約を受ける中で、選考学年生がネガティブな発想になっていないか心配したが、逆に内に秘めたエネルギーを発散するような力作が多くみられたことは幸いだった。

選考対象のプロダクトデザイン専攻は12名(内院生1名)の作品は社会的なテーマから教育、生活、遊び、伝統工芸、アップサイクル、農活、新型バイクまで多岐多様に渡ってはいたが、全員がコロナ禍での閉塞感を打ち砕くかのように、デザインで世の中を明るくしたいという気持ちが良く伝わってきた。

(文責:森下眞行)

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最優秀賞:上田俊一 「HUNTING×DESIGN」

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評価コメント:
一般的に大学生レベルでは、地域の有害鳥獣駆除という社会的課題解決のため、自らが猟師になることを求める事はないので、恐らく何らかの理由で猟師になったことで課題発見をして、問題解決に向かって行ったんだろうと推測する。当事者として問題解決のために提案すると言うことに対して、第三者が意見を差し込む事は難しいと思われるが、あえて講評のために意見を言う。捕殺した鳥獣をジビエ肉として生かすためのアプローチは意識あるシェフや猟師たちの連携と努力で実現できていると聞いているが、この提案したプロダクトがジビエ肉の流通や販売を含めて、ベスト解かどうかは現状のやり方との比較で評価されるべきだと考える。いずれにしても、リアリティの高い問題提起と提案であり、猟師という仕事を通じて、さらに深く考察し、実現可能なアイデアで提案しようとした行動力を高く評価したい。(文責:森下眞行) 
 

優秀賞:古市あい 「neuron」

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評価コメント:
この作品は、先行する商品が市場でも見受けられるが、異なる大きさ、色、硬さの瓢箪型ブロックをバランス良く積み上げていくことで、バランス感覚と創造性を育む点では差別化が出来ており、見ただけで遊び方も分かるので、子どもだけでなく大人もハマる可能性が高いと思う。ただし、この種の作品は対象者による検証プロセスが重要なので、どれだけ実施出来ていたかは確認出来ていないが、会場内で来場者が説明なしで楽しく遊んでいるのを見ると、展示会そのものが検証プロセスとして考えているとしたら、私の心配も無用になる。(文責:森下眞行) 

優秀賞:鈴井葉月 「オト×コマ」

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評価コメント:
ひとりで3つのゲームを作り上げるエネルギーが展示全体から強く伝わってきた。ただし、ゲームは楽しければ良いというだけでなく、その対象や目的がはっきりしないと、単に出来ましたというレベルで終わってしまう。従来のボードゲームで行われてきた伝統的手法に、新たな聴覚的要素や視覚的要素を組み合わせて、健常者以外の障がい者への参加を促す可能性も感じたが、「neuron」同様に検証プロセスが必要なので、そういう点では1点に絞ってもう少し完成度をあげることも必要だと思う。全体を通じて、自信を持ってハッキリと話す発表態度には最後まで感心した。(文責:森下眞行) 


 


主催:(公社)日本インダストリアルデザイン協会・中部ブロック
協力:セントラル画材株式会社

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