JIDA

第52回「蓄光顔料 "N夜光"」

 

2009年8月4日(火)
根本特殊化学株式会社
参加者:8名

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根本特殊化学株式会社は、1941年に創業し、当初は軍事用に放射性物質を微量含んだ

夜光塗料を使用していましたが、終戦後は民事に事業を展開。1993年に放射性物質を

含まず従来蓄光顔料の約10倍の明るさ(300mcd/㎡)と残光時間(2,000分以上)を持つ
「N夜光 LumiNova」を開発し、蓄光顔料の世界No.1シェアを獲得している企業です。

「N夜光」は、短波長の紫外線からLEDの青色光の波長までの光で蓄光します。
しかしトンネルなどで用いられている「ナトリウムランプ」だけは
青や紫の光が全くない赤色の光なのでほとんど蓄光しません。

また耐光性にも優れており、特殊な処理を施せば屋外での使用も可能です。
現在、公団荻窪団地の屋外に設置されている「避難場所標識」に活用されているそうです。
その他にも照射する光が強ければ強いほど残光輝度が高くなるという性質を持っています。


「N夜光」の用途は大きく下記の3つに区分されるそうです。

① 安全確保に必要なもの(防災用品、避難誘導標識など)

② 生活に必要なもの(時計の文字盤、リモコンなど)

③ おもしろく奇抜のもの(おもちゃ、文具など)


それらの事例を、ショールームで見せていただきました。
面白い事例では、米国のハロウィン期間中に発売するお菓子のパッケージや
海外のお札などもあり、今回の総選挙では選挙ポスターに蓄光印刷を採用した
政治家もいたそうです。また「避難誘導体験コーナー」もあり、ぼんやりと
光る高輝度蓄光標識を頼りに、照明を消した真っ暗な空間の中、階段や曲がり角を
歩くという体験もさせていただきました。