2009年1月20日
京セラ株式会社(液晶事業部)
「異形タイプ液晶パネル」
参加者:18名
私たちが「液晶パネル」と聞いて頭の中に浮かべる形の多くは「四角形」
ではないでしょうか?
今回はそんな常識から飛び出した新しい形の液晶パネルを、京セラ株式会社
(液晶事業部)様より、沢山のサンプルを拝見しながら、メーカーご担当者様の
お話を交えてご紹介いただきました。
■異形パネル、多色バックライト
液晶は通常貼り合わせた2枚のガラスで構成されており、今日では薄型TVやパソコン、
カーナビや携帯電話など表示デバイスとして至るところで利用されている。
そのどれもがほとんど長方形などの「四角形」をしている。これは液晶を製造する際、
大きなマザーガラスから各パネルを切り出して作っていく(板チョコのイメージ)ため、
ロスの出にくい四角形が都合のよいためですが、直線的なその形はインテリア製品や
デザイン性を重視する商品には、なじみにくい場合がある。 一方最近になり、
京セラ株式会社では従来実現できなかった円形、楕円などの曲線をもった形状や、
三角形、台形形状を加工プロセスの工夫により作れるようになってきた。
また、それだけではなく、液晶面をくりぬき、「穴が開いた」ものも製作できるようになってきた。
(現在は少量しかつくれない)また、液晶を発光させるためのバックライトの色を「緑、赤」等に
変えることが出来る、多色バックライトも可能になった。 バックライトの色を変えることで
機器の動作状態を示す(:正常時と異常時でバックライトの色が変わる等)ような利用方法
があるのではないか?以上のような液晶パネルは、京セラ株式会社の強みである
STN液晶技術を使って成り立っている。また、小ロット多品種に対応出来るのも強みである。
■ガラス−ガラスタッチパネル、薄型狭額縁液晶
任天堂DSなどを代表例として、液晶にタッチパネルをとりつけ機器を自由にコントロール
する商品は現在珍しくなく、京セラ株式会社でもタッチパネルの製造販売をはじめた。
通常世の中にあるタッチパネルはベースガラスに「フィルム」を貼り合わせたものだが、
京セラ株式会社のタッチパネルはベースガラスの上に薄い「ガラス」を貼り合わせて構成
している。全てをガラスで仕上げているため透明性が高く、視認性に優れ高い商品価値を
与える事が出来る。また薄型で額縁が狭い液晶の開発もしている。
以上のように、今まで液晶では難しかったカタチが可能になるかもしれない。
将来的には曲面の液晶が出来るかも知れない。そんな液晶の可能性が見えた勉強会になりました。