JIDA

第21回「VR仮想現実」

 

2005年12月14日
株式会社ICID.D.ジャパン
営業部 川村 功 氏
参加者 : 10名
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3D立体視については、以前見学会を行なっていますが、今回の立体視システムは、
ドイツ,シュツットガルドのICIDO(アイシーアイドゥー)社が開発したハード&
ソフトウエアーシステムです。

このシステムの特徴はまずハードウエアーです。
専用の立体視するための眼鏡と専用スクリーン、それとマウスの変わりに空中で動
かす専用デバイスを使い、スクリーンに映し出される3D画像をオペレータの装着し
た眼鏡に内蔵されているセンサーと常にリアルタイムに連動させる事で、あたかも
その空間に自分がいるような感じを得ることができるシステムです。
これは、通常マウスなどでスクロールする動作をセンサーが感知することで自動化
し、尚且つ立体視しているため、常に目の前の3Dデータはオペレータの動きに追随
していて、ついつい手を出してしまいたくなる様な非常にリアルな認識システムに
仕上がっています。

このハードウエアーの特性をより優位にさせているのが、専用のソフトウエアー
です。

・IDO:REVIEWは構造体の全体から細部に至るまで映像化することが可能で、
データのカッティング、測定、アッセンブリ、スナップショット等の機能も充
実しています。
・IDO:STYLINGはテクスチャー、環境マッピングなど極めて現実的なイメージ
を実現するレンダリング・テクノロジーです。色々なテクスチャーを3D画像上
で試すことが可能です。
・IDO:ERGONOMICSは実物に近いマネキンに3Dデータを使わせてみたりする
事もできるシステムです。また、車の運転席にマネキンを座らせてハンドルま
でのリーチを確認したり、マネキンの視界に移動させて視界干渉をチェックさ
せることが可能です。
・IDO:REFLECTは光の当たり具合を含め、周囲の風景を製品表面に実際に近い
映り込みとして貼り付けることができます。自動車や航空機など、曲面検証を
リアルに現出します。
・IDO:PACKAGEパーツやアッセンブリ単位での認識が可能です。静的干渉の
みならず、動的干渉までサポートする画期的ツールです。これにより現実世界
における物体の挙動と同様のシミュレーションが可能です。また、物体を動か
す際、軸固定(平行・回転)や平面固定等の拘束条件を入力できますので、
オペレータも非常に簡単に作業が行えます。

このように、ハード&ソフトウエアによる3DVR技術ICIDOシステムはヨーロッ
パのエンジニアリングおよび建築の分野で既に導入されており、納期の短縮や経
費削減など大きな実績を上げているそうです。

実際に今回は同社のショールームにお邪魔して体験させていただくとその完成度
の高さや、リアル感には驚かされるものがあります。
ただ、問題点としてはオペレータの装着する眼鏡にスクリーンの3D画像が連動し
ているため同時の何人も3D画像を確認できないという点です。今後この問題も克
服されれば、ますますモックアップや試作が不要になっていくのではないかと思
いました。

ここまでリアルで高度なシステムの為、金額的には個人事務所で導入ということ
はまだまだ遠い話かもしれませんが、このシステムを使い検証したデータと実際
の製品とで是非その違いを比べてみたいと感じました。