JIDA

第20回「琺瑯」(ホーロー)

 

2005年11月15日
JFE建材株式会社
商品研究所要素技術室 室長 永石 博 氏
参加者:17名

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ホーローはキッチン用品や浴槽等で使われている誰でもなじみのある要素ですが、
その歴史や、現在の使われ方については、あまりよく知られてはいないようです。

今回は、そのホーローをロール鋼板(ロール状の薄い鋼板)に掛けて内外壁材や
黒板、映写用スクリーンなどを製造している JFE建材株式会社さんに、前半はホ
ーローの基礎知識、後半ではJFE建材さんが今最も力を入れている光触媒技術の
ホーロー製品への応用についてのお話を伺いました。

今回のお話でホーローとは、金属の上に釉薬を掛けて焼き上げた焼き物の一種で
あると云うことが理解できました。その為、表面は大変滑らかで硬く、光沢のあ
る美しさを持続する点や、汚れが着き難い等の利点の反面、二次加工上の問題や
ホーロー鋼板をカットした後の端面処理など、この素材の特有の扱い方を踏まえ
てでないと、選びにくい素材であるとも言えます。

その点、壁材としてのホーローの採用は汚れの着き難い内外壁素材へ、そして
もともとの特性の上に光触媒を塗布することで、紫外線反応による大気浄化や
抗菌機能を持つ、より高機能な内外壁材への発展を遂げています。
環境問題や衛生面などを考えたとき、壁材以外でも、扱い方や加工上の可能性が
広がれば、今後ますます求められる素材だと言えるのではないでしょうか。

<ホーローの使用時の留意点>

1.ホーローはガラスの為(割れる)
*圧縮に強いが、引張りには弱い
*非晶質であるため変形しない。

2.着色には限界がある
*高彩度は困難(減法混色)
*原色に近い赤、黄、緑は困難
(カドミウム:公害元素)
*色調によって高温での色変化が起こる可能性がある。

3.FDCX(意匠性付与)
*デザインの段階から検討開始形状、色調、絵付け方法等

4.製品形状に制限有り
*端部にたまり・・・ひけ発生(焼き切れ)シャープなR、穴周り、鋼板エッジ
*炉の大きさによりパネル寸法に制限

5.補修
*剥離:塗料を使用し補修
*端部:湿潤環境は補修

6.焼成歪み
*熱膨張差、膜厚差等で可能性有りパネルでは補強の取り方を工夫薄板ほど
心材の歪みも拾い易い